Fire resistance
耐火性
●ツーバイフォー住宅は火に強い【燃えても強度が低下しにくい】
木は火に弱い、とお考えではありませんか? 確かに木材は燃えやすい性質をもっています。しかし、木は酸素の供給がなければ燃えることができません。ある程度の太さや厚さがある(つまり断面が大きい)木材は、いったん燃えても表面に炭化層をつくるだけ。この黒い炭化層は熱を伝えにくく、炭化層によって燃え方が遅くなることによって、火の内部への進行が妨げられ、強度が低下しにくいという性質をもっています。 700~950℃にまで達するといわれる現実の火災においても、実大火災実験の結果などから、これは事実として確認されています。
●木材と鉄骨の耐火性比較実験
常温での強度が同一の木材と鉄骨を使った実験です。木材は構造材として使われる通常のツーバイテン材2枚重ね(76×235mm)。鉄骨はリップみぞ形鋼(150×75×20mm、厚さ3.2mm)。それぞれに500kgの荷重をかけ、約1,000℃まで加熱しています。ツーバイフォー構造部材は、加熱5分経過してもほとんど変形はありません。同じ加熱時間で鉄骨部材の場合は、変形が始まりました。
●ツーバイフォー住宅は火に強い【ファイヤーストップ構造】
ツーバイフォー工法は火のまわりを止めるファイヤーストップ構造。 火の通り道となる床や壁において、枠組み材などが空気の流れを遮断し、上階への燃え広がりを防止します。 ツーバイフォー工法の内部構造は、床根太、枠組材などが一定間隔で組まれており、防火区域がいくつもつくられているのと同じ状態です。 この一つ一つの区画によって火の進行が遅くなります。 火災時に防火被覆(石こうボード)が万一突破されても、このように2重3重の防火機能をもつ「ファイヤーストップ構造」によって火のまわりが遅くなり、逃げる時間が確保されるため死者を出しにくく、初期消火の可能性も高まります。
●石こうボードでさらに耐火性能アップ
ツーバイフォーでは、すべての天井や壁の内側全面に、厚さ12.5mm以上の石こうボードが貼られます。 石こうボードの中には約21%の結晶水が含まれていて、炎があたると熱分解を起こして約20分もの間、水蒸気を放出するという優れた特性を発揮します。このため火災が発生しても、天井裏や壁の内部の温度が上昇しにくく、構造材が発火点(約450℃)に達するまでの時間を大きく遅らせることができます。 また床・壁の内部に埋め込まれる断熱材も、火災時の熱が構造材に伝わりにくくし、石こうボードとともに木材の発火を遅らせます。これによりツーバイフォー住宅の耐火性は、さらに高くなっています。
●もらい火にも強いツーバイフォー住宅
隣家で火災が発生した場合、外壁の表面温度は800℃以上にも達するといわれますが、ツーバイフォー住宅はもちまえの優れた耐火性で類焼を防ぎます
●火災保険料が最大4分の1程度に
ツーバイフォー住宅の場合、ほとんどが準耐火構造となり、火災保険料が安くなります。 一般の火災保険料率は損害料率保険算出機構が算出する「参考純率」を基準に各損害保険会社が定めています。適用料率は建物の構造と所在地から基本料率を算出し、それに各種の割増や割引をしたものが適用されます。 このうち構造は、各損害保険会社により多少の表現の違いがあるものの以下に区分されており、A区分に近くなるほど火災保険料率は低くなります。 金額の差は、例えばA区分はD区分に比べ、基本料率が1/4程度となります。